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一般社団法人ならはみらい
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楢葉町に来るまでのこと
福島県本宮市出身。高校卒業後は、仙台にある英語の専門学校に通い始めました。理由は、英語が好きだったことと、今後どの業界に身を置いても英語は必要になってくると感じたからだそうです。
その後、英会話学校の営業の仕事を経て、矢吹町にある農業短期大学校で1年学びました。祖父母が農家という事もあり、幼いころから農業を間近で見ていました。手をかけて育てた作物を収穫したときの喜びが、消費者が口にしたときの笑顔に繋がる。その関係性がいいなと思っていたそうです。家族に相談したところ、農業をやってみたらと応援してくれました。
作物についてはいろいろと検討し、トマトを選びました。他の作物より品種が多く、味も幅広く、付加価値が付けやすい。加工して販売することもでき、初動では取り扱いやすいのではと考えたそうです。農業短期大学校ではトマト農家でバイトをしながら、ノウハウを学びました。
卒業後の進路は、学校から仕事の斡旋はなく、自分で就農先を探すか、独立しなくてはなりませんでしたが、土地も設備もない杉森さんには、雇用先を探すしかありませんでした。そこで巡り合ったのが、ならはプラントファクトリー。農業者として必要なスキルと、経営手法を同時学べる環境が自分に合っていると感じました。求人はありませんでしたが、繋がりがあったいわき市のトマト農家の声かけもあり、社長に声が届いて体験からスタート。タイミングよく、欠員が出たため、晴れて社員になることができました。
これからトライしていきたいこと
「大きな工場では、社長から直接教えてもらうのは難しいので、ならはプラントファクトリーのような規模感がいいのではないかと思いました。さらに新しい設備や技術を取り入れており、実際に社長と会ってみて人柄にもひかれ、入社を決めました。」
社長は忌憚なく自分の考えを示し、杉森さんの意見にも耳を傾けてくれました。こんな経営者下でなら、自分も成長できると思いました
「仕事をしながら経営の勉強をしていて、2年後に起業を目指しています。楢葉町ではいまサツマイモを推していますが、いつか自分でトマトをブランド化していけたらと思っています。いずれ自分も独立したいという話も社長にしていますし、今は勉強させてもらっています。まだ、浜通りで甘いトマト作っている農家はほとんどいないようです。役場の方と話して土地を探したりしていますがなかなか見つからず、近隣町村にも声をかけています。充実している補助金も活用していけたらと考えています。」
楢葉に住んでみて
楢葉町に来て4カ月ほど経ち、静かで住みやすいと感じています。ただ、夜にやっていないコンビニがあることに驚いたといいます。「これまで住んだ中では一番の田舎かもしれません。買い物も、ネットで頼んでしまうので、そこまで不便を感じていません。」と話します。
自然が豊かで、浜辺で座りながら飲み物買って考え事をする時間を作ってリフレッシュしているそうです。以前はバス釣りをしていましたが、今は何よりトマトのことを考えるのが趣味。車の運転も好きで知人のいる福島市までよくドライブしています。
今の農業について
「農業は他業種と比べると給料が低いです。だからトマトに付加価値を付けて売り上げを伸ばし、高い給料を払えるような形を作れればと思っています。若い世代が農業に入ってこない原因の1つだと思っています。そこを変えていくのが目標の一つです。」と話します。
若者が戻ってきやすい環境を作っていければ、自分が立ち上げた会社が格好の受け皿になるのではないか。「農業は服装や身だしなみも自由だし、今の若者が関心を抱くところにマッチしているのではないかと思っています。それで人並みの給料をもらえるのであれば、関心を持ってもらえるのではと考えています。今の自分も普通の作業着ではなくジャージなどスポーティなものを着ています。ならはプラントファクトリーに来た時はみんな作業着でしたが、アルバイトに行っていた会社の社長はスタイリッシュな格好で、空調服を着ていた社員もいました。若者が関心を抱くところから農業のイメージを変えていきたいと思っています。」
ゆくゆくは農業関係のみならず、お菓子屋さんや料理屋さんなど、飲食関係者ともつながっていきたいと考えています。そして、人脈を広げ、コラボして特産品を作り、観光客を呼び込みたいです。個人の利益だけではなく町を盛り上げることで、農業以外の産業も盛り上げていきたいと考えています。
※2023年にインタビューを行った内容を掲載しております。